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02. 鏑木清方


静謐で優美な画。

私のとても好きな画家です。


一八七八年、江戸情緒が色濃く残る、明治の東京下町に生まれました。

明治から大正、昭和と近代化・震災・戦争という変化の時代を生きながらも、江戸の市民の日々の暮らしを回想し、人を描くことで、理想の街、時代、風雅、暮らしをそこにつくろうとしていました。


画家としてのスタートは、樋口一葉や泉鏡花の文学の挿絵画家から。

鏡花作、清方ゑかく」の名コンビが誕生。


その後、物語を絵にするための研究を重ね、浮世絵から平明で瀟洒な姿かたち、明るい色調を取り入れ、画壇においても評価されるようになっていきました。


画壇で評価された要因のひとつが「浮世絵や美人画にまとわりつく卑俗なイメージをしりぞけたこと」というものだそうですから、その当時、すでに江戸時代とは違い、「浮世絵は卑俗なもの」という概念が街の人々に広がってことが読み取れます。


晩年は、大きな展覧会からは身を引き、「もっぱら市民の風懐に遊ぶ」小品を描き続けます。そこには、市井の人々への慈愛に満ちたまなざしがありました。 清方の旧居跡にある鎌倉市鏑木清方記念美術館は、

鎌倉雪ノ下の住宅地の奥で、今もひっそりと佇んでいます。

画:鏑木清方「築地明石町」

鎌倉市鏑木清方記念美術館

「鏑木清方原寸美術館」(小学館)